【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】


結婚式は内輪だけで開催する、こぢんまりとしたものになると聞いていた。

慌ただしく3か月後には挙式があると言われて、披露宴だけでも出てほしいとあの目に訴えかけられてしまえば、なぜか俺は渋々頷いてしまっていた。

気の乗らない披露宴当日、仕方なく来てみれば、どこかで見たことのあるような顔の人間ばかりが着席している。


「……誰の結婚式だ?」


思わずつぶやいた俺の後ろで笑い声が聞こえる。振り返って、その場に、地元が輩出した有名人が立っていることにまた唖然としてしまった。


「壮亮、久々だなぁ。元気か?」

「え、え、マジで? 学さん来たんだ?」

「そりゃまあ、柚の結婚式だしな」


佐藤家の隣に住んでいた学さんは、今は海外でプレーするプロサッカー選手だ。

学さんは大学卒業まで実家にいたから、俺も転校以来、柚葉と一緒に遊んでもらったりしていた。

サッカーも教えてもらったりと、かなり世話になった人だ。

今を時めく有名人であることは間違いない。柚葉は幼いころから学さんに遊んでもらっていたらしく、いまだに兄のように慕っている。


「でも、こんな突然で、よく来れたじゃん」

「あー、まあ、あいつらの突発はよくあるしな」


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