COSMOS
「ワタシは......ワタシは......昔から自分がだいっきらいだった。

性格も声も体型も全部嫌い。ワタシの理想は...見た目も心も可愛くて優しくて明るい子......。

そんな理想が目の前に現れてすごいむしゃくしゃして、消してしまいたくなった。

見る度に苦しくなるから、もう...目障りで目障りで仕方なかった。

だから、ワタシは......」


もう、十分すね。


「ワンコ、手を離してあげて下さい」

「あ、うん」


ワンコが手を離すと彼女は床に土下座をするような体勢になった。

大声をあげて泣きわめく姿は救われない者の象徴だった。

去年の失恋案件の時の女子生徒もこんな感じだったなぁと思い出す。

痛くて辛くて苦しくて...

誰にも救ってもらえない。

だから、自暴自棄になって、

自分を責める。

責め続け、傷つける。

けれど、それでも解決しなくて、

結局は他人に矛先を向ける。

それでも満足しないって、

何も変わらないって、

分かってるのに...。

分かってるのに出来ない。

だからこうして大きな問題になる。

1人では越えられない壁になっていく。

私は佐伯さんの元に行き、彼女を抱き締めた。

ワンコに視線で合図を送る。

ワンコは頷き、全員を立たせ、私達の周りに集めた。

もちろん、楠木さんも。


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