半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「旦那様、真面目な話なんで、続けていいっすかね」
その『旦那様』の頭を堂々と殴ったアサギが、やれやれと殴った拳を解く。ツヴァイツァーが、娘には向けないような目をギロリと向けた。
「てんめぇこのクソ狐、俺に毛ぇむしられたいらしいな!」
「はいはい、落ち着いてください、今はこの手紙への返事ですよ」
どうどう、と獣でも落ち着けるみたいにアサギが宥める。
「たとえばですね、『妖力が強い』『最近は狙いをつけて雷撃を落とせる』、『仔狐とはいえ噛みつくぐらいに牙もある』とか、とにかく向こうに不利だと思わせるようなことも書くのはどうでしょうか」
あ、とリリアは察して挙手した。
そこでアサギの説明が、ぴたりと途切れる。しばし見つめる彼と、ツヴァイツァーと、そして視線を返すリリアの間に沈黙が漂った。
「なんですか姫様。こういう時だけ可愛い感じで主張押し付けてくるとは、さすがです」
「そこまで印象が悪かったら、あやかし嫌いだと断ってきそうだものねっ」
名案である気がして、リリアのくりくりとしたつぶらな瞳は、期待に輝いていた。
「その通りです。それにもかかわらず、引き続き婚約の話をしつこくしてくる場合は、もう確実に国王側の事情か、政治絡みのための婚約とみていい」
そのアサギの言葉に、不意にツヴァイツァーの表情が引き締まる。
その『旦那様』の頭を堂々と殴ったアサギが、やれやれと殴った拳を解く。ツヴァイツァーが、娘には向けないような目をギロリと向けた。
「てんめぇこのクソ狐、俺に毛ぇむしられたいらしいな!」
「はいはい、落ち着いてください、今はこの手紙への返事ですよ」
どうどう、と獣でも落ち着けるみたいにアサギが宥める。
「たとえばですね、『妖力が強い』『最近は狙いをつけて雷撃を落とせる』、『仔狐とはいえ噛みつくぐらいに牙もある』とか、とにかく向こうに不利だと思わせるようなことも書くのはどうでしょうか」
あ、とリリアは察して挙手した。
そこでアサギの説明が、ぴたりと途切れる。しばし見つめる彼と、ツヴァイツァーと、そして視線を返すリリアの間に沈黙が漂った。
「なんですか姫様。こういう時だけ可愛い感じで主張押し付けてくるとは、さすがです」
「そこまで印象が悪かったら、あやかし嫌いだと断ってきそうだものねっ」
名案である気がして、リリアのくりくりとしたつぶらな瞳は、期待に輝いていた。
「その通りです。それにもかかわらず、引き続き婚約の話をしつこくしてくる場合は、もう確実に国王側の事情か、政治絡みのための婚約とみていい」
そのアサギの言葉に、不意にツヴァイツァーの表情が引き締まる。