半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 恐らく、彼が第二王子だろう。そして隣の白髪が目立つ男は、手紙にあった宰相か。

 そう観察していると、少年が、自分の背中を押してきたその男の手を払いのけた。挨拶をしたレイド伯爵をまず見つめ返すこともせず、不遜な表情で辺りを見回した。

 と、少年の目がリリアへ向いた。その姿を認めた途端、同じ背丈の彼女を見下ろすようにして睨みつける。

 ――あ、やべ。こいつ気に食わねぇわ。

 リリアは作り笑顔をたもっていたが、少年が威嚇するように魔力量を上げてきたのが、もう気に食わなかった。プライドにピキリときて、こちらも妖力量を上げて威圧し返す。

 両者から不穏な空気を感じ取ったのか、少年の隣に立っていた中年男が「おっほん!」と大きな咳払いを一つして、早速切り出した。

「お初にお目にかかります、レイド伯爵。私は宰相のハイゼン・タック、爵位は侯爵です。こちらが、我が国の第二王子殿下となります」
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