半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「暇潰しの相手にもなって、用件を言ってパシラせられて、時にはストレス発散にも律儀に付き合ってくれる、忠実でか弱くていじり甲斐もある、面白い下僕です」
……下僕って言い切った。
真面目な顔で『グッ』と親指を立ててきたアサギを見て、リリアはちょっと間を置く。
「なんだか、可哀そうにしか聞こえないんだけど……」
「外へ好奇心が向く頃の仔狐ですから、唐突に行動されないかと心配なんですよ。別の土地まで散歩に行かれるのであれば、お供狐がいた方が、俺としても安心出来ます」
遠くへの散歩――と、リリアは少し考えて首を捻る。
「そんなの、思ったこともないわ」
時間が許される限り父のそばにいたい。それに人間界で他に行きたいところなんて、父のいるところ以外に、考えたこともなかった。
薔薇園の上に浮いたまま、リリアは大きな金色の目を丸い月へ向けた。
こうして令嬢としての自由を得るために、第二王子サイラスの婚約者になった。
あの日、決めたことを屋敷の中に戻って父に知らされ、それでいい、とリリアも答えて了承した。
……下僕って言い切った。
真面目な顔で『グッ』と親指を立ててきたアサギを見て、リリアはちょっと間を置く。
「なんだか、可哀そうにしか聞こえないんだけど……」
「外へ好奇心が向く頃の仔狐ですから、唐突に行動されないかと心配なんですよ。別の土地まで散歩に行かれるのであれば、お供狐がいた方が、俺としても安心出来ます」
遠くへの散歩――と、リリアは少し考えて首を捻る。
「そんなの、思ったこともないわ」
時間が許される限り父のそばにいたい。それに人間界で他に行きたいところなんて、父のいるところ以外に、考えたこともなかった。
薔薇園の上に浮いたまま、リリアは大きな金色の目を丸い月へ向けた。
こうして令嬢としての自由を得るために、第二王子サイラスの婚約者になった。
あの日、決めたことを屋敷の中に戻って父に知らされ、それでいい、とリリアも答えて了承した。