恋する少女漫画家
甘い言葉、甘い雰囲気にくすぐられ、好きになっちゃったかもーなんて錯覚を起こしてググッと上がっていた心のボルテージも、つき合い始めた途端、急激に下降し、この人は『違う』と自分の中で素早く見切りをつける。


そして、当然のように訪れる別れ。


未練もなければ執着もない。


そんな時、決まって、あーあたしは恋に恋してただけだったと、改めて自覚し、なんだか虚しくなってくる。


本気で好きになってもらえる相手に、出逢いたい。

あたしは誰かの特別になりたいだけだ。


あたしだって、運命の出逢いとかそんな不確かなものを信じるほど、子供じゃない。


だけど、心のどこかで、それを信じたいと思っている自分がいることも、隠しようのない事実なんだ。
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