強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。



***



学校祭はいよいよ明日。


ここ最近のわたしはずっとゴミ捨てとか雑用ばかり。


楽しそうに準備を進めるクラスメイトを横目に羨ましく思いながらも、その輪の中に入っていけるわけもなく淡々と頼まれた作業に打ち込んでいた。


前日ということもあり、校内は完全に学校祭ムード。


校門前には大きい看板が立てられて、派手に装飾されたアーチもある。


教室中は各クラスでテーマに合わせて飾り付けられている。


わたしたちのクラスもすごくカラフルになっていて、本当にお店のようだ。



「はーい、じゃあシフト発表するよー!」



ある程度準備が落ち着いて教室に集まるクラスメイト。


お客様用に置かれた椅子に腰掛けたり、椅子が足りなくて壁に寄りかかったり……


わたしは教室の後ろの片隅に立って、学校祭委員の話を聞いていた。


シフトについては事前に希望を取られたけれど、特に誰かとまわる予定もないわたしは希望なしで提出した。



他のみんなはきっと友達やら恋人やらと楽しくまわるんだろうな。


高校生になった今年もわたしはやっぱりひとりぼっちか。



自分でそれを再確認してしまって悲しくなってくる。




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