強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
生徒玄関へ入るとちょうどクラスメイトがいたらしく、「またねー」と玲奈ちゃんはその友達の元へと行ってしまった。
玲奈ちゃんがいなくなり、またひとりぼっちになる。
普段ひとりでいる時はまるで空気のような存在で誰の気にも留められないはずなんだけれど……
今日はやけに視線を感じる。
まるで神風くんと一緒にいる時みたいな感じ。
ついさっきまで神風くんに絡まれていたとはいえ、今は近くにいないのになんで?
さっきのやり取りを見られていてまた噂になってる?
神風くんに関する噂は本当にまわるのが早いから。
……早く家に帰りたい。
そうは思うけれど、帰るわけにもいかず渋々教室へと向かった。
話し合いを重ねて少しずつ準備してきた学校祭。
ついに当日ということで校内中が盛り上がっている。
わたしのクラスもそのひとつ。
その輪の中にわたしは入っていく勇気はない。
最初からシフト入ってるし、さっさとお店の準備をしてしまおう。
何も考えずに淡々と作業をしている方がまわりを気にしなくて済んで楽だから。
そう決めてからドアを開けて教室の中へと入った。