強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。



そういえば生クリームも残り少なかったことを思い出して家庭科室を出る前に追加した。


そのおかげで大荷物。


今にも抱えた両手からこぼれ落ちてしまいそう。


早く教室に戻らないと。


バランスを保ちながら、足早に教室へと向かう。



「大変そうだね? 手伝ってあげようか?」



ふとそんな声が聞こえてくる。


まさか自分に言われているとは思わなくて、その声を無視して進んでしまう。



「ねぇ、無視しないでよ」


「……っ!?」



そう肩を叩かれて、初めて自分に声をかけられていることに気がついた。



「あ、ごめんなさい……」



無視してしまったことには謝る。


どうやらわたしに声をかけてきたのは私服姿の背の高い男の人。


たぶん、大学生くらい。



「すみません、急いでるので……」



わたしには頼まれたこの食材たちをクラスに届けなければ行けないという大事な任務がある。


ここでモタモタなんてしていられない。



「そんなこと言わないで? ね、キミのクラスどこ? 終わったら一緒にまわらない?」



口数の多い人だ。


あまり関わりたくなくて早足で避けるように歩いているのにしつこくついてくる。



これがいわゆる、ナンパって言うやつ?



地味なわたしには無縁だったことで、対応に困る。






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