遠い記憶
5年くらいは、社員を雇える状況では無かった。

みんな必死だった。

会社の1Fに店を出していたが、最初は美紀とひとみちゃん、さっちゃんが交代でレジ係。
学生アルバイトを2人をシフト制で雇って営業していた。

少しずつ、少しずつ、人員を増やしていった。

特に悩んでたのが、弁護士資格を持った中野勝彦だった。 
本人からは、クローバー商事に入りたいと起業した時から言われていたが、弁護士先生を雇う利益はなく、だいぶ待たせたのだが、
5年目に新入社員の風間 充と一緒に入社してもらった。

弁護士事務所だったら、もっと高収入なのに…
それでも中野は、一緒に働く人の方が大事だと言って、輸入に関する契約の法務を担当してくれた。

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