堕天使系兄の攻略方法。
「母さんが思ってるより手のかかる妹だけどね。でも俺は柚のお兄ちゃんになれて良かったよ」
「そんなことないわ。柚ちゃんはとっても素直で素敵な子よ?」
駄目だ、全然耳に入ってこない。
やっぱり兄は兄でしかなくて。
妹は妹でしかなくて。
それで、この先も家族としてやっていかなきゃ駄目なんだって。
「ご近所さんにもね、仲の良い兄妹ですねって言われるようになったの」
「そうなんだ。良かったね母さん」
家族以上にはなれない。
それ以上にはなってはいけない。
「柚、イチゴ食べないの?」
いつの間にかお母さんは部屋に居なかった。
残された兄はじっと私を見つめてくる。
「泣きそうな顔」
「そ、そんなことないよっ」
誤魔化すようにイチゴを口に運ぶ。
じゅわっと広がった果実の甘味は、少し酸味の方が強かった。
甘い甘い果実は甘さだけではなく、酸味があるからこそ引き立つのだ。
「お兄ちゃん、前のことは忘れよう」