覚醒者3号-最終調査報告-
次の瞬間。

5人はほぼ同時に左右のナイフを投擲する!

「隠れろ!」

私とななみちゃんに指示を出しつつ、小山田君は回避行動に移る。

投げ放たれた凶器。

しかし、それほど変則的な攻撃ではない。

ただ真っ直ぐにナイフが飛んでくるだけ。

そして、実戦を何度も経験してきた小山田君になら、回避は造作もない事だった。

飛んでくるナイフをかわしつつ、小山田君は棒立ちの5人に突進する!

その拳には炎。

受ければ『痛い』程度ではすまない威力を持っている。

その拳を繰り出し、直撃する瞬間。

「!!?」

小山田君の背中に、ナイフが突き刺さった。

「う…ぐっ…」

ガクリと膝をつく小山田君。

「哲平…さん!」

壁の死角に隠れていたななみちゃんが走り出る。

「ななみちゃん!」

私も後を追って飛び出した。

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