覚醒者3号-最終調査報告-
すぐに小山田君に駆け寄り、ナイフによる傷の治癒を始めるななみちゃん。

そして私は。

「危ない!」

そんな二人に襲い掛かる、更なるナイフの攻撃を回避すべく、二人を連れて瞬間移動。

すぐ近くの壁の向こう側に隠れた。

「しっかり…哲平さん…!」

ななみちゃんのヒーリングで、小山田君の傷自体はすぐに塞がっていく。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

大きく呼吸をしながら、小山田君は呟く。

「な…何が起こったんだ…?」

その質問はもっともだろう。

投擲されたナイフ。

小山田君はその全てを、確実に回避した。

にもかかわらず、ナイフは小山田君に命中した。

しかも背後から。

あの5人以外、小山田君の背後には敵はいなかった筈だ。

…それは、あの5人と対峙していた小山田君には絶対に理解できない攻撃だった。

< 33 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop