【完】イミテーション・シンデレラ
「年明けのドラマって…」
「ああ、1月から始まる連続ドラマ、梨々花ちゃんも出るみたいなんだ。
ウェディングショーも一緒だし、縁があるねぇって」
「そうなんだ。 ふーん。仲良さそうね。 れ、れ、連絡先も交換してるの?」
「うん。先輩として色々聞きたい事もあるからって、この間の打ち合わせの時に交換したんだ。
良い子だよね。自分でも誤解されがちで、人から怖がられるって言ってたけど
本当は素直で良い子だよね」
「ふーん、あっそう。 良かったじゃない。昴のタイプだし。
それよりさっさと出て行ってくれない?私これから本番だし、メイクさんに化粧直してもらう」
スッと立ち上がると、昴は私の手をぎゅっと握りしめた。
思っているよりずっと強い力だった。
私の手を握り締めたまま、こちらを見上げる昴はいつもみたいに笑ってはいなかった。
「何で梨々花ちゃんに、真央との過去の事ベラベラ喋るの?」
「は…?」
「まだ、真央の事が忘れられないの?
そんなに真央が好き?」
な、何を真剣な顔をして訊ねてくるのよ。
握り締められた手がじんわりと汗をかいてくる。 バッと腕を振り払って顔を背ける。