【完】イミテーション・シンデレラ

分かっている。その声だけが全てじゃない事は。私には私をきちんと応援してくれるファンが沢山居る事も。 けれどマイナスの事ばかり目が行ってしまうのだ。

もう、アイドルとして限界だったのだ。 その証拠にSARARAのニューシングルのジャケット、センターに立つ梨々花はグループにぴったりと当て嵌まる。

「桜川梨々花ちゃんか、可愛い子だよね!この間バラエティーでも会ったけど、良い子だったなぁー」

どうかしている。 昴のそんな何気ない一言に傷つくなんて。

携帯の画面には、きっと梨々花が映し出されている。 それを手に取り、画面を見ては私に向けるのと同じ優しい笑顔を見せるのだ。

そんな事に苛立つなんて本当に頭がどうかしたとしか思えない。 これじゃあまるで嫉妬をしているみたいじゃないか。

「そうね、昴のタイプでしょう?」

気を取り直し、努めて冷静にそう訊ねた。

「え…!よく分かるね」

悪びれることなく、昴は携帯の画面から顔をこちらへ上げた。
頭に血が上って、今にも血管が切れそうだった。

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