【完】イミテーション・シンデレラ

「わ、分かるわよ…。昴って綺麗系の女の子ばっかり好きになるじゃない。
ほら元カノの感じの悪い大物女優気取りの円城寺(エンジョウジ)小雪(コユキ)とかモロ綺麗系だし
静綺も綺麗系だしね…」

静綺の名前を出すと、昴は分かりやすく苦笑した。 私は無神経な女だと思う。 でも口をついて出た言葉は止められない。

これからやって来る真央の彼女である静綺は、真央と付き合う前まで昴の好きだった女でもある。

ふたりは静綺を取り合い、ある時期ゴタゴタしていた。 結果昴は失恋をしてしまった訳だけど、そんな古傷を抉るような真似をする私は…やっぱり超絶性格が悪い。

「岬にはやっぱり分かっちゃうかぁー!」

それでもいつだって昴はおどけて、本音を見せやしない。 苦しい時も笑顔で居続ける。そういう所…好きじゃないんだってば…。

「分かるよ、昴のタイプは。 梨々花ももろ昴のタイプだもん。
身長高めで、スタイル良くて。 猫みたいな大きな目をしてて、一見気の強そうな顔をしてるけど、笑うと可愛い子…」

どうして私はここまで昴のタイプを熟知していると言うのだろう。
苦手な男なのに…。

そして梨々花が昴のタイプとぴたりと当て嵌まる事が、面白くない。
これじゃあまるで本当に嫉妬してるみたいだ。

< 15 / 265 >

この作品をシェア

pagetop