【完】イミテーション・シンデレラ
「わ、分かるわよ…。昴って綺麗系の女の子ばっかり好きになるじゃない。
ほら元カノの感じの悪い大物女優気取りの円城寺小雪とかモロ綺麗系だし
静綺も綺麗系だしね…」
静綺の名前を出すと、昴は分かりやすく苦笑した。 私は無神経な女だと思う。 でも口をついて出た言葉は止められない。
これからやって来る真央の彼女である静綺は、真央と付き合う前まで昴の好きだった女でもある。
ふたりは静綺を取り合い、ある時期ゴタゴタしていた。 結果昴は失恋をしてしまった訳だけど、そんな古傷を抉るような真似をする私は…やっぱり超絶性格が悪い。
「岬にはやっぱり分かっちゃうかぁー!」
それでもいつだって昴はおどけて、本音を見せやしない。 苦しい時も笑顔で居続ける。そういう所…好きじゃないんだってば…。
「分かるよ、昴のタイプは。 梨々花ももろ昴のタイプだもん。
身長高めで、スタイル良くて。 猫みたいな大きな目をしてて、一見気の強そうな顔をしてるけど、笑うと可愛い子…」
どうして私はここまで昴のタイプを熟知していると言うのだろう。
苦手な男なのに…。
そして梨々花が昴のタイプとぴたりと当て嵌まる事が、面白くない。
これじゃあまるで本当に嫉妬してるみたいだ。