【完】イミテーション・シンデレラ

せき止められていたダムが決壊したかのように、口から流れ出た言葉たち。
もうこの時は相当お酒が頭を回っていた。 自分で自分が何を言っているか、理解出来ない。

ぐるぐると頭が回る。回っているのが、自分なのか世界なのか、境界線が分からなくなる。

力が抜けてぺたりとその場で座り込んでから、その日の記憶は無くなってしまった。 気が付けば、有菜の家に居た。

ベッドの隣で寝ていたのが、有菜で良かった。
これじゃあ、あの日酔っぱらい過ぎて記憶を失って昴とエッチしちゃった日と同じだ。

目を覚まして、隣に居たのが類くんだったら私はその場で芸能界引退を決めただろう。 …本当に有菜で良かった。

しかし、その数日後インターネット上のゴシップサイトで、信じられない記事が上がってしまう羽目になるのだ。  水難の相が出ていたと気が付いたのは、その記事が出てからだった。


―――――

『独占スクープ!!人気アイドル同士の熱愛の夜?!』

そう銘打ってインターネット上に私と類くんの写真が上がった。 記憶は全くない。 けれど、その写真はまるで私が類くんに抱きかかえられている様に(見える)

確かに有菜や他のスタッフも居た筈なのに、切り取られたようなツーショットである。
事務所は朝から、その記事の対応の電話で追われている。

私はやってしまったのだ。 あれほどまでに恐れていたスキャンダル。 しかも…初スキャンダルが人気アイドルととは…。なんつー運のない…。

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