【完】イミテーション・シンデレラ

「私さ、ずっとアイドルになりたかった人なの。
小さい時にテレビで観ていた、綺麗な衣装を着て踊って歌う、人に元気を与えられるようなアイドルになりたかった。
だからその先の事なんて考えた事なかったの。 歌だって歌手みたいに上手じゃないし、演技の仕事だってSARARAに所属していたから貰えていた様なものだもの。
芸能人、南条岬になったら私って何もない人なんじゃないかって思うの」

事実、アイドルを卒業した女の子達が芸能界で生き残って行くのは難しい。

何か飛びぬけた一芸があるとか、運がすっごく良くない限りこの厳しい芸能界を渡ってはいけない。

アイドル時代はある程度売れていたのに、卒業後ぱったりテレビで観なくなるっていうのはザラだ。 そうやって人知れず消えていく。


私は、SARARAがあってこそ輝けていた人間のひとりだ。

「そんな事ないよ。だって岬すっごく頑張ってきたじゃない。
いっぱい努力してきたよね?そんな岬と仕事したいって人は沢山居ると思う。」

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