【完】イミテーション・シンデレラ
静綺の言葉に昴は照れくさそうにはにかむ。 横で悔しそうに真央が唇を噛みしめる。 …分かりやすい奴。
「昴と仲良くするな!」
「何でよッ!」
ふたりの言い合いは日常茶飯事。 ほぼ、真央の嫉妬のせいだが。
けれどその喧嘩を煽る様な発言をする昴もどうかと思う。
「DVDボックスが発売したらプレゼントするよ。 そうしたらふたりで一緒にみよっか?」
静綺に向かいにこりと黒い笑顔を落とすと、彼女は頬を赤らめて困った素振りを見せる。 そしてそんな静綺を見て、真央は顔を真っ赤にさせて拳をぷるぷると震わせるのだ。
勿論昴はわざと。 どうやら真央をからかうのが好きらしい。 寧ろこいつは優しい仮面を被った、悪魔だ。
私はよぉーく知っている。 実は昴がすっごく意地悪で、人をからかう事を生業としている事に。
「昴!てめぇだけは許さねぇ!!」
「それで静綺ちゃん何飲む?
これメニュー表。 可愛いカクテルとかも沢山あるよ。 このお店のバーテンダーさんは美味しいお酒を作るよ。
俺のお勧めはね、生のグレープフルーツとパッションフルーツのカクテル。絶対静綺ちゃん好きだと思う」
真央の怒りを無視したまま、昴はメニュー表を静綺に見せる。 そういう態度が更に真央を煽る事を知っていながら