【完】イミテーション・シンデレラ
「わぁ…!美味しそう…! それにします。やっぱり昴さんは素敵なお店知ってますね」
静綺も静綺で天然だと思う。本人に悪気がないのは知ってるし、私は静綺が好きだ。
だけどそういう態度が真央をやきもきさせているのも事実ではある。
「あ、真央にはノンアルコールのメニューもあるよ?
お酒弱いんだから、あんまり飲まないようにね」
「うるせぇよ!お前に言われる筋合いない!
俺は生ビール!」
「苦いの苦手なくせに無理しちゃって」
クスクスと笑う昴に、真央の怒りは爆発寸前だった。
同世代で同じ事務所。 そして事務所の二枚看板と言われている真央と昴。
人気も同じ位ある。 でも子役時代から芸能界に居る真央と、ある程度年齢を重ねてから事務所にスカウトされた昴。
昴の考えている事は分からない。 けれど真央は昔からずっと昴をライバル視している。
ドリンクを注文すると、静綺は紙袋を取り出して私の前に出した。