ドラム女と男達



「あのさ・・・秋って麻耶と仲いいよな」
え?
「あ、うん、仲いいよ!」
なんで今そんなこと聞くの?
私は戸惑いながら 傘に隠れたサトの顔を覗く。


すると、サトは思い切ったように 口を開いた。



「じゃあさ、麻耶のさ・・・・メアド教えてくれん?」



そう言って私の目を見る。
その目は、すべてを見透かされているようだった。

だけど私は、目をそらさず、この現実を直視するように 声を発する。


「な・・・・なんで知りたいの?」
「い、いや・・・。まあいろいろっ!」
そういって、ニカッとハニかむ。
私はその笑顔に胸が痛んだ。
私もすかさず言い返す。
「いろいろって何?教えてくれないとメアド教えないよ?!」
可愛くない私。
「ま、まあ・・・・なんつーか・・・気になるみたいな・・・?」


え?
麻耶・・・・・・?



「あ・・・・うん・・・・。分かった。」
「まじ?!ありがとな♪」


私は呆然とした。










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