ドラム女と男達
なんだ サトは麻耶のことが好きなんだ・・・・。
「話って、それ・・・?」
私は傘で顔を隠した。
「あ、うん。ごめんなっ!しょうも無い話で」
「いいよ・・・」
私はいっきに全身の力が抜けた。
さっきまで自惚れていた自分が恥ずかしかった。
私の恋も もう終わり?
もう、バンドの楽しみなくなっちゃうよ・・・。
失恋したからバンドに行きたくない、
そう思う自分自身が腹立たしくてならない。
なんで、よりによって麻耶なの・・・・?
少しくらい 私を見てよ・・・・。
私は傘に落ちてくる雨を眺めた。
私の心の中をあらわしているようだった。
隣にサトがいたけど
私はその横で 静かに頬を伝う涙をそおっと拭いていた。