東京ヴァルハラ異聞録
「そろそろ来ると思ってたぜ!俺を舐めんなよ!」
グッと武器を持つ手に力を込めて、梨奈さんを押し返す男。
その手には、柄の先端にトゲの付いた鉄球……モーニングスターという武器が持たれている。
バランスを崩した梨奈さんはよろめきながら後退し、手斧を構える前に、男がモーニングスターを振り上げた。
「梨奈さん!」
悩んでいる暇なんてなかった。
動かなければ梨奈さんが殺されると予感した俺は、男と梨奈さんの間に割って入り、モーニングスターを持つ腕に日本刀を滑らせた。
それに気付かずに腕を振り下ろした男の腕から、血が噴き出して、俺を身体を赤く染める。
「あひっ!?う、腕がっ!て、てめぇっ!ぶっ殺す!」
すかさず左手でモーニングスターを取り出して、俺の胴目掛けてスイングしようとするけど……それよりも速く、俺は日本刀を振り下ろした。
いや、また腕が勝手に動いたと言うべきか。
気付いた時には、男が血を噴き出して倒れようとしていたのだから。
だけど、腕が動いてくれなければ、俺はこのトゲの鉄球の餌食になっていただろう。
覚悟を決めたつもりだったけれど、人を殺す事を簡単に肯定は出来ないと、思い知らされた。
グッと武器を持つ手に力を込めて、梨奈さんを押し返す男。
その手には、柄の先端にトゲの付いた鉄球……モーニングスターという武器が持たれている。
バランスを崩した梨奈さんはよろめきながら後退し、手斧を構える前に、男がモーニングスターを振り上げた。
「梨奈さん!」
悩んでいる暇なんてなかった。
動かなければ梨奈さんが殺されると予感した俺は、男と梨奈さんの間に割って入り、モーニングスターを持つ腕に日本刀を滑らせた。
それに気付かずに腕を振り下ろした男の腕から、血が噴き出して、俺を身体を赤く染める。
「あひっ!?う、腕がっ!て、てめぇっ!ぶっ殺す!」
すかさず左手でモーニングスターを取り出して、俺の胴目掛けてスイングしようとするけど……それよりも速く、俺は日本刀を振り下ろした。
いや、また腕が勝手に動いたと言うべきか。
気付いた時には、男が血を噴き出して倒れようとしていたのだから。
だけど、腕が動いてくれなければ、俺はこのトゲの鉄球の餌食になっていただろう。
覚悟を決めたつもりだったけれど、人を殺す事を簡単に肯定は出来ないと、思い知らされた。