東京ヴァルハラ異聞録
「わ、私一人じゃ……二人には勝てない」


「妥当な判断だな。その判断が出来るのも、貴様に力があるからだ。恥じる事はない」


ほんの一瞬で勝負がついた。


俺だけなら……恵梨香さんと「俺」なら、こんなに早く決着する事はなかっただろう。


さっき、恵梨香さんも「真治少年」と言っていたし、これは俺の力じゃないんだ。


「あの野郎……こんなに強くなってたのか。星5レアの三人……しかもNWが二人もいるのに」


「……俺はあまり見えなかったけど、それでもわかったよ。あの三人相手に軽くやって退けたように見えた事自体が、とんでもなく力の差があるって」


愛美と悟さんも、信じられないような表情で俺を見るけど……正直、全然嬉しくなかった。


むしろ、俺ではなく、「高山真治」に向けられていている言葉なのだと悔しささえ感じた。


「あー、くそっ!なんだってこんなに強いんだよ。西軍と東軍なのに、あっさりと連携決めやがって」


龍拳が悔しそうに床を蹴る。


「私と少年の連携は、時間ではなく心を通わせて身に付いたものだ。貴様達も筋は良いが、私達にはまだまだ遠く及ばない」


その言葉の意味がわかる人なんて、俺くらいしかいないだろう。


日本刀の中にある、高山真治の力を感じる事が出来る俺にしか。
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