東京ヴァルハラ異聞録
少しして、沙羅と一緒に神凪がいる部屋に戻った。


既に秋本と神凪の話は終わったようで、これからどうするという話し合いが行われていた。


「話を纏めるぞ。北軍は神凪と秋本の和解により、指揮系統は一つになったわけだ。細かい派閥はあるが、それはどの軍にもあるわけだからな」


「そうね。バベルの塔を目指すって言うなら、内輪揉めしてても仕方ないし、どうせ戦うなら他軍の方が強くなれるからいいし。西軍も東軍も、覚悟した方がいいよ。団結した私達は……ちょっと強いよ?」


恵梨香さんに、フフンと笑って見せる神凪。


秋本の傍らで、俺達を指差して見せた。


「やれやれ、なんだか余計な事をした感じだな。じゃあ俺達は一旦西軍に帰るか?黒崎も無事だってわかったし、西軍の方が今は大変な気もするしな」


「ホントそれよ。よその軍の心配なんてしてる場合じゃなかったよね。私達は西軍に戻って、バベルの塔に向かう為に強くなればいいんだろ?」


ルークを倒し、沙羅に会って目的は果たした。


俺達が西軍に戻るのは、当たり前のように思えるけど……。


「あ、あの……俺は西軍に戻らなくてもいいですか?他の軍も回ってみたいんです」
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