東京ヴァルハラ異聞録
目覚める主神
闇に溺れる。


そう、この感覚は、つい先日味わったばかりだ。


先日と違うのは、今回は俺が殺されたという事。


圧倒的な力を持つあのビショップ……黒井に、なすすべもなく殺された。


浮遊感に包まれながら、そんな事を考えていた。


間もなく生き返る。


そんな時だった。






「黒井を止めてくれ……頼む」




高山真治の、そんな声が聞こえたのは。


俺が返事をする前に、意識が急激に覚醒して行く。


そして……目覚めるとそこは、東軍に入ってすぐにホームポイントに設定した場所。


「……沙羅?美姫?」


二人を呼んでも返事はない。


そうだよな。


黒井が呼び寄せたルークは、それぞれの軍に落ちたような気がした。


沙羅は北軍、美姫は頼れる人がいないとは言え、西軍の人間。


自軍がどうなのか気にならないはずがないんだから。


それは、俺も同じ気持ちだった。


早く行かなければと思う反面、今の自分の状態を確認しなければ。


PBTを取り出した俺は、その画面を見詰めた。



『結城昴』
所属:西軍
所持ソウル:13
メイン武器:日本刀☆5【LV.65】
サブ武器:なし
賞金額:38,421


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