東京ヴァルハラ異聞録
そう言い、空を指さすと、ビショップはそれを振り下ろした。


それと同時に、空が震え始める。


「な、何なのさ何なのさ!!あいつ、何したってーの!?勘弁してよ!」


半狂乱の雨村が、空を見上げて怯える。


降ってくる……巨大な怪物が。


肉眼で捉えたそれは、隕石のようにも見えたが、ただの隕石でない事はわかっていた。


あれはルーク!


それが、四体!?


「チッ!これが限界か。まあ良い。お前ら人間には、この程度でも十分だろう。神に捧げる悲鳴を聞かせろ!俺が黒井風助……この世界の神だ!ハハハハハッ!」


そう……ビショップが笑った時。


見逃してもらって安心した俺が……いつの間にかスカイツリーを駆け上がり、ビショップに向かって飛び掛かっていたのだ。


「黒井ぃぃぃぃっ!!」


「!?高山……真治!!」


俺と高山真治を見間違えたのか、そう声を上げると、ランスを突き付けた。


絶対に回避出来ないほどの速度の攻撃を日本刀で弾き、最接近したところで顔面に蹴りを入れた。


「調子に……乗るなあっ!!」


その攻撃が、ビショップの怒りを買ったようで。


左腕を振り上げ、放った裏拳が俺の胸に直撃したのだ。


と、同時に上下に分断され、瞬間回復をする時間すらなくて。


俺は、落下しながら光の粒に変わった。
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