東京ヴァルハラ異聞録
ソウルが13個か。


死なない為には、ソウルを稼がなきゃならないところだけど……西軍に戻りたいとも思う。


「黒井を止めてくれ……か。無茶言ってくれるよ!」


日本刀を取り出し、部屋を出た俺は、街の状態を確認する為に屋上へと向かった。


階段を駆け上がり、やって来た屋上。


外に飛び出した瞬間、俺の目に飛び込んで来たのは……巨大なルーク。


以前に倒したやつは子供だったのかと思うくらいの巨体。


全長50メートルはあろうかという化け物が、巨体を揺らし、ビルを破壊して街を闊歩していたのだ。


「う、嘘だろ……デカい!」


思わず声が出てしまった。


「雪子ちゃん、明!鎧の継ぎ目を狙うんだ!大友!頭部は任せた!」


この声は……名鳥の声?


柵まで駆け寄り、ビルの下を見てみると、そこには名鳥と雨村、そして肩くらいの髪の女性と、東軍の人間が、ルークの進行を食い止めようと奮闘していたのだ。


名鳥も雨村も、その実力は確かなはずなのに……ルークに有効なダメージを与えられないでいる。


いや、それよりももう一人の女性だ。


華麗で、舞うような動きで惑わしたかと思えば、鋭く力強い攻撃を放つ。


俺と同じ、日本刀を持つ女性。
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