東京ヴァルハラ異聞録
「……勝負あったわね。昴くん、本当に強くなったじゃないの。まさか国さんまでこれほど容易に倒すなんて思ってなかったわ」


三原の前に歩み出て、俺にそう言ったのは桜井。


「ま、まて……俺はまだやれる……」


「そんなに悶絶しててどうやって戦うって言うのよ。別にこれは殺し合いじゃないの。昴くんの力を見せてもらう戦いだったはずよ?すぐに熱くなるのが国さんの悪い所よ」


桜井にそう言われると、三原は股間を押さえたまま何も言わなくなった。


「ったくよ、ハナから見えてた勝負だろうがよ。ダメージがあるとは言え、黒井に勝ったんだぞ?三原が相手になるわけねぇだろ」


「いや、三原とは私も戦った事があるが、やつは『強い』というよりも『上手い』戦士だ。今回は下手打ったが、相手が昴少年だったからだろう。三原にとっては相性最悪の『やりにくい』相手だったに違いない」


後ろの方では、今の戦いの感想を言い合っている。


確かに、三原は戦い方が上手かったけど、勝てないと思う相手ではなかった。


これが武器の相性というやつなのか。


「あなた達、バベルの塔に向かうと言ったわよね?あなた達がバベルの塔を目指す理由、私達の力を必要とする理由に納得出来れば、その話に私達も乗るわ。あなた達の願いに賭けてみようと思う」
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