東京ヴァルハラ異聞録
~小伝馬町~
水天宮通りを、何十人も引き連れて、先頭の女は北上していた。
異形の槍を持ち、周囲を警戒しながら。
彼女、朝倉ほのかは伊良とは違い、力で西軍を蹂躙するつもりはなかったが、南軍の人の為に安心して眠れる場所を探したいと思っていた。
西軍にいるのは、南軍が落ちた後、ここが一番近かったからに過ぎない。
「朝倉さん、本当に西軍を乗っ取るんですか?俺はわかってますよ、朝倉さんはそんな事をしたくないと思ってるって」
一人の男が、朝倉にそう尋ねたが、当の本人は笑顔を見せた。
「自分達の居場所は、自分達で作らなきゃね。あなた達がゆっくり身体を休められる場所を手に入れるわ。その為には、西軍の人には悪いけど力ずくでも奪い取るしかないの。だって、そういう街なんですもの」
朝倉は部下思いで知られる。
それ故に、南軍での一大勢力を持っていたのだが、先日の南軍崩落で、その8割を失っていた。
「すみません。俺達がもっと強ければ、朝倉さんの負担も少なくて済んだのに」
「気にしないで。私に付いて来てくれているのが嬉しいんだから。皆家族よ。この試練を皆で乗り越えましょう」
そう、朝倉が微笑んだ時だった。
前方から飛んで来た矢が、男の目を貫き、そのまま後方に倒れて光の粒に変化したのだ。
水天宮通りを、何十人も引き連れて、先頭の女は北上していた。
異形の槍を持ち、周囲を警戒しながら。
彼女、朝倉ほのかは伊良とは違い、力で西軍を蹂躙するつもりはなかったが、南軍の人の為に安心して眠れる場所を探したいと思っていた。
西軍にいるのは、南軍が落ちた後、ここが一番近かったからに過ぎない。
「朝倉さん、本当に西軍を乗っ取るんですか?俺はわかってますよ、朝倉さんはそんな事をしたくないと思ってるって」
一人の男が、朝倉にそう尋ねたが、当の本人は笑顔を見せた。
「自分達の居場所は、自分達で作らなきゃね。あなた達がゆっくり身体を休められる場所を手に入れるわ。その為には、西軍の人には悪いけど力ずくでも奪い取るしかないの。だって、そういう街なんですもの」
朝倉は部下思いで知られる。
それ故に、南軍での一大勢力を持っていたのだが、先日の南軍崩落で、その8割を失っていた。
「すみません。俺達がもっと強ければ、朝倉さんの負担も少なくて済んだのに」
「気にしないで。私に付いて来てくれているのが嬉しいんだから。皆家族よ。この試練を皆で乗り越えましょう」
そう、朝倉が微笑んだ時だった。
前方から飛んで来た矢が、男の目を貫き、そのまま後方に倒れて光の粒に変化したのだ。