東京ヴァルハラ異聞録
「お前達、ここにいたのか。準備をしろ、すぐにでもバベルの塔に突入する」


俺達に駆け寄ってくるなり、唐突にそう言った恵梨香さんに驚き、その顔を見た。


バベルの塔に化け物が現れた事はこっちでも確認をしているけど、恵梨香さん達も?


それにしたって、今すぐとは、いくらなんでも早すぎやしないか?


「合流した途端、バベルの塔に向かうだって?一体何があったんだい恵梨香ちゃん」


名鳥も納得がいかない様子で首を傾げている。


「詳しい話は後だ。今は突入の準備の為に、各々の軍に戻れ。一つ……一つだけ言える事は、御田がこのタイミングに合わせたかのように、異様な力を発していた。あの姿はまるで……いや、見ればわかる」


御田さんが?


とんでもなく強くて、でもどこか不思議な人だと思っていたけど。


「とにかく時間がない。御田が言っていた。フェンリルが暴れ出すまでに始末しなければ、この街の住人は壊滅してしまうとな。各々の軍に戻れ!すぐに仲間を集めて両国へ向かうんだ!」


そう言うと、恵梨香さんと明は東軍の方に向かって走って行った。


残された俺達には詳しい情報は与えられていない。


そんな状況で動かなければならないのか。
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