ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目
「立花って、地味でダサくて陰キャで。
どんだけマイナス要素盛ってんの?って
感じじゃね?」
和明君の言う通りだよ。
いつも俯いて
肩まである髪で、顔を隠して
クラスの子と
目を合わさないようにしている私。
一番後ろの窓際の席で
地縛霊並みに、存在を消している。
「あ、でも俺。
工藤たちに約束しちゃったんだよな。
罰ゲームやるって」
「和、ポーカー弱すぎだからな」
「あいつらの前で立花にキスしたら、
それで良しに、してくれそうじゃね?」
「和、それマジで言ってんの?」
な……な……何それ……
和明君に、無理やりキスされるってこと?
その後に……
『ボッチの地縛霊と、キスしちゃった』とか、
言われちゃって。
クラスの子たちが、
『和明君、お気の毒~』って
ケラケラ笑うんだろうな。
そんなことになったら
私、耐えられる?
泣かずに、
得意の作り笑いでごまかせる?
多分……ムリだよ……
みじめな自分を想像しただけで
勝手に、涙が溢れてくる。