ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



「和、その罰ゲーム、マジでやるわけ?」


「アハハ。やるに決まってんじゃん。
 クラス中、ドッカンって盛り上がるし」


「立花だけは、
 キスできねぇんじゃなかったのかよ?」


「あいつ以上に、キスして笑いが取れる相手は、
 このクラスにいないし」


「サイテーだな。和」


「じゃあ俺の代わりに
 綺月が罰ゲームやれよ」


「はっ?
 な……なんで、俺なんだよ!」


 綺月君の心底、嫌そうな声。


 そりゃ綺月君だって、
 私とキスなんかしたくないよね?


 当然の反応だけど……

 正直、心が痛い……


 
「綺月の方が良いんじゃね?
 陰キャな立花に、夢見させてあげなよ」


 アハハと飛び跳ねる様な、和明君の笑い声が
 私の心にグサグサっと刺さる。



 夢なんて、見させてくれなくていいよ。
 私のことなんて、放っておいてよ。


 クラスに存在しない地縛霊として、
 無視してくれていいから。

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