東京ルミナスピラー
部屋に入って、ベッドの上に仰向けに倒れ込んで天井を見上げる。


ここまで来るのに随分と時間が掛かったな。


最初はただ、父さんと姉さんを家に連れ帰ることだけを考えていたのに、父さんと会う為には強くなるしかなくて。


強さを求めて戦って、そして色んな出会いや別れがあってさ。


姉さん、そして灯を失った父さんと俺は壊れてしまったんだ。


だけど俺が、何度も挫けそうになりながらも、ここまで歩いて来られたのは、バベルの塔の頂上に希望があるから。


その希望に、もう少しで手が届くんだ。


「姉さんと灯を助ける……か。こんなことになる前の世界に戻せるのか? それとも、死んだ人達を全員生き返らせて、この殺し合いの街を消滅させてくれって願えばいいのか? わかんないな」


元々の俺の願いはそんなに複雑なものではなかったけど、世の中はそんなに単純ではないと知ってしまった。


元の世界に戻したところで、美空ちゃんは再びベッドの上の生活に戻り、沼沢や緑川なんかは死が目前に迫るかもしれないんだ。


全ての人を救うことなんて出来やしない。


元に戻すという行為は、全ての人が望んでいるわけじゃないんだよな。


この街に来て、死を免れた人達だっているんだ。
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