東京ルミナスピラー
「ぐはっ! なんだこいつ! いきなり現れたかと思ったら鬼強えじゃねぇかよ!」


コーヒーを飲む篠田の横に、吹っ飛ばされて地面を転がる杉村の姿が。


何事かと、ゆっくりとその方向に目をやると……そこにいたのは、悪魔のような姿の人間。


いや、よく見るとノイズのように像がぶれている。


「な! こ、こいつは黒井! 鬼王・黒井やないか! それにしては……なんや? まるで映像みたいやけど」


大和には見覚えがあった。


黒井の姿にもだが、津堂を追い詰めた時に見た、フェンリルが現れる際に同じようなノイズがあったのを。


それに……黒井であることに間違いはないのだが、どこか違うような印象も受けていた。


「映像なわけあるかよ! 俺はぶん殴られたんだぜ! 防御したのになんて威力だよ!」


ここにいる誰もが、何が起こっているかなんて理解出来なかった。


ただわかっているのは、この黒井を倒さなければこちらが殺されるということだけだった。


「やれやれ。ゆっくり休憩もさせてくれねぇのかよ。でもまあ、東軍の黒井とは一度やり合ってみたかったんだよな。光栄に思えよお前。もしかしたら俺が本気で戦ってやるかもしれねぇんだからよ」


飲み干したコーヒーの缶を握り潰し、片手で丸めて小さな鉄球にした篠田が、それを黒井に見せてニヤリと笑った。
< 1,406 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop