東京ルミナスピラー
「言うじゃないの。昴もお前も、『ヴァルハラ』の時はうちの葵と同じくらいの年齢だったのに、少し見ないうちに大人になっちまってまあ」


それでもクスクスと笑いながら、タバコの煙をふぅっと吹く。


「そういう名鳥さんも、随分落ち着いたんじゃないですか? やっぱり家族が出来ると丸くなるんすかね?」


拓真にしてみれば、同級生の昴も、そして周囲の人達も次々と結婚していて、家族を持つという感覚がわからずにいたから尋ねてみただけだったのだが、本人はまだ名鳥が言うような大人だとは思っていなかった。


「一度婚活パーティにでも参加してみたらどうだい? そこで決めろとは言わないさ。社会勉強のつもりでさ」


「ま、考えてみますよ。恵梨香さんが生きてたら、葵にベッタリだったでしょうね。そういう親子ってのに憧れもしますから」


「……父親は大変だぞ? 今から言うのもなんだけどさ」


くわえていたタバコを足元に落とし、靴で火種を消したと同時に、ソードオフショットガンを取り出した名鳥は、空中に向かって弾丸を撃った。


拓真もショートソードを両手に持ち、ギロリとその場所を睨み付ける。


「お前も父親の大変さを教えてやってくれないか? ああ、そうか。お前は自分の娘も道具に使ったんだったな。黒井」


西軍で篠田達が見た、ノイズがかかった黒井が北軍にも現れたのだ。
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