東京ルミナスピラー
「まずいっ!」


チラリと背後のキングを見て、日本刀を抜刀し、火球を縦に斬り裂いた。


真っ二つに割れた火球だが、その猛烈な熱量は昴と月影だけでなく、周囲も溶かしてしまいそう。


「させません! ホーリーヴェールッ!」


月影が細剣を顔の前で構えてそう叫ぶと、薄い光の膜が月影の周囲を包み込んだ。


火球が飛び散り、凄まじい熱量に晒されたビルの壁面や屋上は溶けたが、ホーリーヴェールによって包まれた場所はそれを避けることが出来たのだ。


「流石は聖女。それとも女王様と言った方が良いかな?」


「どちらも結構です。私は月影乃亜。今はただ、このキングを守る為の兵士に過ぎません。そして結城昴のパートナーです。何者であろうとここは通しません」


その名乗りに、クスッと笑った昴。


おかしかったわけではない。


ただ、昴をパートナーと言った時の恥ずかしそうな顔が微笑ましかったから。


プライドの高い月影に、パートナーと呼ばれたことなどなかった昴にとっては、それもおかしかったのかもしれない。


「嬉しいね。18年前もこんなにモテたかったよ」


「あら、気付いてなかったのですか? あなた、今の奥様しか見えてなかったですからね。結構色んな人に好かれてはいたみたいですよ?」
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