東京ルミナスピラー
「言われてみればそうだな。ま、浮気はするつもりもないけどね!」


日本刀を鞘に納め、黒井に向けて走り出した昴。


一歩、踏み出すごとにその速度は加速され、三歩目になる頃にはもう、目にも留まらぬ速さに達していた。


そして雷を纏った超高速の抜刀術。


幾度となく危機を乗り越え、目の前に立ちはだかる敵を斬り捨ててきた昴の必殺技、紫電一閃である。


だが、その攻撃は黒井の左の拳によって阻まれた。


昴の紫電一閃に合わせ、ボディブローのように横に振るように繰り出したパンチが、日本刀の刃に直撃して攻撃を受け止めたのだ。


その瞬間、昴は危険を感じて横に飛び、着地と同時に日本刀を鞘に納めた。


「おいおい、忠実に再現出来てないんじゃないの? こんなにヤバいやつだったっけ? まさか俺が年を取ったから……なんて思いたくはないけどさ」


今の一撃を食らって、黒井の左の拳は無傷とはいかないまでも、ほんの少し切れた程度。


指の一本も切り落とすことが出来ていなかったのである。


「キングのことでしたら私が守ります。あなたは守りを気にせず戦ってください! 大丈夫、やれます。あなたは私達の英雄なんですから!」


「やれやれ。期待されたもんだね。でも……この感覚は悪くない」


フウッと息を吐いて、昴は黒井を前にしてゆっくりと目を閉じた。
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