東京ルミナスピラー
ミモザが挑発した瞬間、物凄い速さでビショップの左のパンチが壁のカプセルにめり込むように放たれた。


あまりに突然のことで、夕蘭は飛び掛かるタイミングを失い、動けなかった。


「ふん。虫ケラが調子に乗りおって。俺のパンチが虫一匹殺せないなら、貴様は虫以下ということだ」


ビショップが素早く左手を引き、潰れたミモザを確認しようとしたが……ミモザはなにごともなく、ピンピンした様子で立っていた。


「あれあれぇ? 僕が虫以下と言うなら、その僕を殺せないキミは一体何なのかなぁ? ミジンコとかミドリムシみたいな単細胞生物で良いかなぁ?」


そう、ミモザに打撃は通じないのだ。


打撃に対しては、軟体生物のようにグニャリと身体が歪み、ダメージを完全に殺してしまうスキルを持っている。


チラリと夕蘭を見て、小さく「次が来る」と呟いたミモザ。


「き、貴様……だったらこれはどうだ。貴様がいくら打たれ強くとも、これが当たれば生きてはいられまい!」


安い挑発に乗ったビショップが、左手を握り締める。


爪がビショップの皮膚を貫き、拳が血に塗れた。


この一撃をミモザに食らわせようと、ビショップは左のパンチを放った。
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