東京ルミナスピラー
〜南軍・蛎殻町公園〜


「くっ! タイミングがシビアだ! 今のタイミングでダメなのか!?」


緑の光が目の前の黒井に向かっている途中、それを遮断するように黒井の首を刎ねた昴だったが、各軍のタイミングがズレていたのか再生してしまったのだ。


「全軍同時……でなければダメということでしょうか。ならば皆さん。バベルの塔の近くにいる千桜さんに合図を任せましょう。近い方が目視が早いかもしれません」


『わかりました。僕がしっかり合図を送りますよ! 皆さんしっかり待ち構え……ああっ! 今ですっ!』


話している最中に、冗談かと思うようなタイミングで千桜から合図が出された。


一瞬、初動が遅れたものの、昴は鞘に納められた日本刀を引き抜き、雷撃の如き一撃を黒井に直撃させたのだ。


紫電一閃。


昴の基本のスキルにして、最強の一撃を放つスキル。


日本刀を振り、鞘に納めた昴は、倒れた黒井に目を向けた。


「……やったか?」


『北軍は再生しないね。他の所はどうだい?』


名鳥の問いに、各軍が口々に報告をする。


「どうやら終わったみたいだな。と言っても、まだポーン達が残って……」


他の軍からも、再生しないという報告を受けて安堵の吐息を漏らした昴だったが、その背中に月影が寄り添って額を当てていた。


「やっと追い付きました。私が追い求めた英雄の背中に。やっと、最後まで共にいられました」


「……あ、あのさ。まだ戦いは終わってない……まあいいか。満足したらまたキングを守るぞ、月影」


「はい。わかっています。だから……あと少しだけ」


昴にしてみれば、それが恋愛感情ではないことはわかっていたから、そうとしか言えなかった。
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