東京ルミナスピラー
〜西軍・秋葉原駅〜


「くぅぅぅぅっ! なんちゅう人達や! 流石やで! 流石は篠田さん! 流石は結城さん! 流石は名鳥さん! 流石は伊良さんや! もう、何回流石って言うても言い足りんわ! 流石やで!」


「流石流石うるせぇよ! 流石に聞き飽きたぜ! ま、気持ちはわかるけどよ。俺に敵わないまでも、あいつら頑張ったんじゃねぇの? ってことは、バベルの塔の中のやつらも倒したんだろ? そのビショップってやつをよ」


黒井を倒した篠田にとって、ポーンやナイト、ルークでさえもただの雑兵に過ぎなかった。


迫り来る大軍勢も、キングを守ろうと集まった人達によって次々と倒され、戦線が徐々に押し返されていたのだ。


「……あいつら、無事に帰って来ますかね」


「なんだよ杉村。お前、後輩にバベルの塔に行かれて拗ねてるのかと思ったけどよ、心配してんのか?」


「そ、そんなんじゃねぇっすよ! なんて言うか……もう二度と会えないんじゃないかって思っちまって」


漠然とした不安を杉村は抱えていたが、それはなにも杉村だけではなかった。


この街が終わるという実感は誰もが感じていたけれど、誰もがこの先がどうなるかわからないという不安を持っていたのだ。


「バカ。縁起でもねぇ。ここは俺がやるからよ。お前らは下の応援に回れ。思いっ切り暴れて不安を吹き飛ばして来いよ」


「そうっすね。そうします。葵……宗司……大丈夫だよな? 終わったら、帰ってこいよ」


篠田に返事をして、バベルの塔を見上げた杉村は小さくそう呟いた。
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