東京ルミナスピラー
頭上に掲げた日本刀に、力が溜まって行くのがわかる。


ビショップの身体に最接近した時にはチャージが溜まり、俺は思い切り振り下ろした。


手に何の抵抗も感じずに、スッと刃が入って行く。


そして、勢いよく振り下ろすと、ビショップの身体はズルりとズレて、その断面から血が噴き出したのだ。


まずい……流石にこの太い身体を斬れば、血が噴き出す勢いも強いってことか。


回復は……間に合うか!?


と、PBSを開こうとした瞬間、目の前に大塚さんが割り込んで来た。


そして、俺の腹部を蹴り上げて、階段の方に弾き飛ばしたのだ。


「サポートすると言ったでしょう? 人にはそれぞれ役割があります。私の役割は、きっと葵くんをこの塔の頂上に行かせることだったのです。悔いはありません。この重要な局面で、私のような老人が役に立ったのですから」


親指を立てて俺に向けたまま、ビショップの血に飲まれて消えて行く大塚さん。


慌てて手を伸ばしたけれど、それは空を切って。


舞桜を掴んだまま、ビショップは下層へと落下して行ったのだ。


壁にぶつかり、階段の上に何とか着地した俺はその場で膝から崩れ落ちた。


皆……皆死んでしまった。


ビショップを倒す為に、俺を生かす為に。


その苦しみに押し潰されそうになりながら、俺はただ涙を流すことしか出来なかった。
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