東京ルミナスピラー
少しして、俺は涙を拭って階段を登っていた。


一人、寂しく。


未だ頂上は見えない。


壁に埋め込まれたカプセルに入っている人達を見ながら、ただ長いだけの螺旋階段をひたすら歩く。


「あの人……見たことあるな。ああ、そうだ。北軍にいた人だ。あ、ほら、そこにゴリ松もいる。探してみると、知ってる人もいるもんだな」


誰に話しかけるわけでもなく、思ったことを口にするようになっていた。


考えると悲しみに押し潰されてしまいそうだから、何も考えずに。


ただ一つ、考えてしまうことは、父さんも結城さんも、こんな寂しさの中で頂上を目指したのだろうかということだ。


外ではきっと、まだ皆戦っている。


それなのに、俺が悲しみに潰されて、皆の頑張りを無駄になんて出来ないじゃないか。


ただ、その想いだけが足を動かしていた。


託された想いに目眩さえ覚えながら、ただ祈りを秘めて。


この街を終わらせるという願い。


死んだ人達を生き返らせるという願い。


だけど、その願いでは救われない人達もいると知ってしまった。


俺は……一体何を願えば良いのだろうか。


何を願うか決めたはずなのに、果たしてそれも正しいのかと迷ってしまう。
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