東京ルミナスピラー
「誰かいますか? 浜瀬さん?」


アジトに戻り、声を掛けてみると……受け付けの奥から、浜瀬さんがひょっこりと顔を出した。


「お、おおっ! 葵くんに灯ちゃん! 夕蘭ちゃんも無事だったか! いやあ、心配したんだよ。杉村にも舞美ちゃんにも、葵くん達を行かせたことを怒られてね。いやあ……リーダー失格だな」


聖戦中だと言うのに、相変わらず缶ビールを飲んでいるようで、顔が赤くなっている。


「ということは……皆復活したんですね。聖戦に行ったのかな」


「ああ。宗司くんのソウルストーンを回復させる為に、ソウル集めに行ったよ。俺はさ、葵くん達を見捨てた罰として居残りなんだ」


そうか。


宗司もソウルストーンが一個しかなかったんだな。


皆が一緒なら、そこまで無理をすることもないだろう。


「浜瀬さん、夕蘭を預かってください。俺と灯は北軍に行ってきます。父さんと話をしなきゃならないんです」


「え? あ、ああ。晩酌の相手がいるってのは嬉しいもんだね。どうだい夕蘭ちゃん。おじさんと一緒にやるかい?」


自分が飲んでいる缶ビールとは別に、まだ開けていない缶ビールを持ち上げて夕蘭に見せる浜瀬さん。


「私、まだ未成年なんだけど」


そう言われて、浜瀬さんはそっと缶ビールを下ろした。
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