東京ルミナスピラー
「それにしても、なんだって今頃になって南軍は西軍に侵攻し始めたわけ? 小競り合いじゃなくて、本格的な侵攻なんでしょ? てっきり私は、南軍と西軍は友好関係にあると思ってたんだけどね」


吹雪さんがタバコの煙を吹きながら首を傾げた。


友好関係……と言うには、個人レベルで知っている人が多いに過ぎないんだよな。


大きな、軍という括りで見た場合、それほど仲が良いとは思えない。


「何の考えもなしに昴が、軍単位で仕掛けるとは思えない。でも、月影や伊良なんかの考えはわからないんだよな」


父さんもわからない様子。


確かに、結城さんは指導者と言うよりは戦士という感じだ。


結城さんでさえ抗えない力が働いているとすると、結城さんがどんな意思を持っていようとも無意味ということか。


「仕方ねぇな。相手が昴ならこの俺が……」


「よしわかった。吹雪さんが一緒に行ってあげるよ。拓真と名鳥さんは化け物を追わなきゃならないだろうし、少年少女の育成なら任せなさいっての」


拓真を押し退けて、吹雪さんが俺達の前に出て笑って見せた。


「い、いや、それはありがたいんだけど……吹雪さん、まともに戦えるの? いつも善吉医院の受付で座ってるだけだからさ」


確かに、言われてみれば俺も吹雪さんが戦ってるところは見たことがないかもしれない。
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