翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

それなのに、私なんかに優しくするなんて。夜通し看病するなんて。翔ちゃんてほんとに世話焼きの心配性だな。


「平澤さんと宮辺君は幼なじみだっけ?」

「うん。そうだけど」

「ごめんね、私のせいで大事な幼なじみに風邪引かせちゃって」

「そんな、大事だなんて……」

「違った?それともただのお隣さんだったかな?」

「……うん、それで合ってる」

「じゃ、私に取られたくらい何てことないよね」

「……うん」

「ならよかった」



決定的な一言を貰ってしまった。


翔ちゃんの傘をぎゅっと抱いて自分のクラスに引き返した。がむしゃらに走って戻った。
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