翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
え、なんで?


翔ちゃんは、私の名前を呼んだ。


そうか……そうだった。
翔ちゃんは熱を出すと、極度の寂しがり屋になるんだった。


しかも小さい頃は熱にめっぽう弱くって、
様子を見に行ったらうんうん唸ってて。

『翔ちゃんママ、翔ちゃん死んじゃうの?』

そう聞いたら、翔ちゃんママはお粥の準備をしながら苦笑いした。

『大丈夫よ、今だって38度くらいしかないの。あの子お熱に弱くてね、いつもああなんだよ』

って。
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