翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「ごめん、言い過ぎた。俺としては早くくっついて欲しいだけで。そしたら奥寺さんも諦めつくじゃん?」


笑いながら話す岡崎君の何気ない一言にふと胸が痛んだ。

岡崎君は、翔ちゃんばかり見てる奥寺さんをずっと目で追ってたんだ。
つらくないはずがない。

「岡崎君、わたしこそごめんね」

「なんで謝るの?」

「だって……」

「俺の恋が上手くいかないことなんて今に始まったことじゃないんだから。別に誰のせいでもないよ」

なんでそんなふうに強くいられるのかな。
岡崎君が、私とは違う次元の人に見えた。

「俺平澤さんのこと全然嫌いになれないし、ましてや敵意なんてまったくないし」

やっぱりふわりと笑う。

「また雨宿りしようね?」

彼は不思議な男の子。
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