翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「宮辺君とこんなふうに帰るの憧れだったんだ」
「……憧れとかぶっちゃけ重い」
ほら、性格最悪ですよ俺。
「じゃあ送ってくれたらほんとにもう諦めるよ」
にこやかに普通そんなこと言う?
直球すぎて不覚にもドキッとした。
「だったらいいけどさ……」
「うん、それ以上は別に何も望んでないから」
大人びた発言にいちいち動揺してることを気づかれないようにしないと。
気持ちは嬉しい。
けど追いかけられるのは苦手だ。
美緒もやたらと俺のこと追っかけ回すし。
でもあいつの場合は追い付けないままなのが笑えるからいいんだけど。
あーあ。
女の子ってやっぱ苦手。
こんなことになるなら、美緒と濡れて帰った方がよかった。