翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

そっと近づいて、微かな寝息を聞いた。
その安らかな寝顔なら昨日も見たはずなのに、なんでこんなにドキドキするんだろう。


翔ちゃんのほっぺたの下では開いたままの参考書が押し潰されていた。
A組はやっぱり大変なんだ。


外れかけてるイヤホンからは、誰の曲が
流れてるんだろう。


右手はシャーペンを持った形のまま固まっちゃってる。


そこからこぼれたペンが眉間の急所を狙ってるみたいに転がっていて、ちょっと可笑しかった。
< 200 / 347 >

この作品をシェア

pagetop